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成形品割れ


めっき品割れ

めっき製品に特徴的な割れ

めっき層の割れ(高温時) 樹脂層の割れ(低温時)
画像:高温時メッキ層の割れ 画像:低温時樹脂層の割れ

めっき品割れ 原因と対策

原因
  • 主原因は熱応力、つまり環境温度変化がもたらすめっき層と樹脂層の膨張あるいは収縮量の差異から生じる各々の材料特性 (材料強度)を超えた引張応力。 メッキ処理時の温度を基準として高温時では メッキ層に、また低温時では樹脂側に割れが生じることになる。

材料
ヤング率(MPa)
線膨張係数(1/deg.C)
1.23×10**5
16.6×10**-6
ニッケル
2.01×10**5
12.8×10**-6
クロム
2.48×10**5
8.2×10**-6
ABS
1,900〜4,000
60〜95×10**-6

  • まれに樹脂表面へのめっき液成分の残留付着がもたらすケミカルアタックがある。
対策

 最も基本的な対策は、めっき処理を行う樹脂部品に存在するエッジ部を無くすこと。 これは環境温度の変化により当該部に生じる熱応力の集中を避けるため。


  • パーティング部のバリはバフ仕上げを施すなどして滑らかにする。
  • ゲート仕上げ面は極力平滑にする。
  • コーナー(特に鋭角)部はRを付け丸めるようにする。
・高温側環境下で発生するクラック
 金属層の延性不足や電着時の引張応力が大きいことが原因であるため、めっき液の調整により析出膜の延性を増して電着応力を下げるようにする。
・低温側環境下で発生するクラック
 樹脂の収縮が金属層の剛性により妨げられることに起因するため、金属層を薄くして拘束力を弱めるようにする。 その際、先の表に掲載した材料特性から判るように緩衝材となる銅の膜厚は相対的に厚めに、一方ニッケルやクロムの膜厚は薄くするよう計らう必要がある。
 金属層との膨張差を減少させるため、線膨張係数が小さいグレードを選択する。
 樹脂部品(特にボス部など)へのめっき液の残留に注意し、場合によっては設計を変更するなどケミカルアタックを受けないようにする。 また、成形による残留歪を小さくすることも有効。

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参考

バリが存在したままの円筒状部品に、めっき処理を施したものの金属層及び樹脂層への発生の様子をイメージ

部位名称
外径(mm)
内径(mm)
ヤング率(MPa)
線膨張係数(1/deg.C)
樹脂部
100
60
2,300
8.0×10**-5
金属層
110
100
200,000
1.0×10**-5
プラス50度の時   マイナス50度の時
 高温側ではバリ部金属層の内側に割れに繋がる引張応力の集中(赤部)が見られます。 もしも、クラックが入るとすればその起点はバリ部金属層の内部であると言えます。
 
 低温側ではバリ部直下を外れた樹脂部内壁に高い応力の発生が見られます。 この時、本来ならば減少するはずの内径が金属層による拘束のため増加していることが分かりますが、樹脂層の引張応力はこの拘束力により発生しています。

 金属層においては、バリ部の外表面に(高温側のときよりは小さいものの)応力の集中が見られ、当該部を起点とした割れに繋がる危険性を孕んでいることが分かります。

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