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成形品割れ


疲労破壊

写真:疲労破壊

 成形品(材料)が実使用状態にて繰り返し荷重を受けると、 静降伏応力よりはるかに小さな荷重で、ある繰り返し数を経過後、破壊(割れ)が生じます。

  この現象を材料の疲労と言い、この破壊を疲労破壊と呼んでいます。 この破面には疲労特有のシェルマーク(貝殻模様)がみられます。

  破壊に直接影響を与える応力は、主としてせん断応力であり、それにより材料間に滑りを生じ、無数の小破壊域を形成して崩壊することで貝殻状の模様を呈します。

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疲労破壊が発生する部品・箇所

同意語として以下のものが挙げられます。

  • キーボード用品や各種操作盤スイッチ部品の樹脂バネ部
  • 着脱式スナップフィット
  • 浄水器などの水圧容器や空圧容器
  • その他、繰り返し荷重を受けるあらゆる部分

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耐疲労性向上の対策

  • 樹脂バネ部やスナップフィットでは、バネ特性(バネ力)や流動性を考慮しながら薄肉化を図る。
  • 耐疲労性は応力値に関係するため、荷重を減少あるいは構造的(設計的)に分散させたりして、発生応力を低くする。
  • 疲労破壊の起点となるき裂の発生を防ぐため、
    1. 応力集中を避ける工夫をする。 例 : 適切なコーナーR
    2. 成形品表面の平滑性を増す
    3. 応力値が高いリブ先端等のエッジ部は丸める
  • 樹脂に対しアタック性のある油、洗剤その他の薬品類の付着は、耐疲労性を著しく損なうため、それらの付着を避ける。
  • ウェルド部は疲労破壊の起点となり易いため、繰り返し荷重が作用する部位にはウェルドができないようにする。 このためには適切なランナー・ゲート設計を行う。
  • 耐疲労性に優れた材料を使用する。

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疲労試験

 写真に示すように、一定の曲率を持つ冶具に試験片を取付け、薬品を塗布します。 一定の環境下に一定時間放置し、クラックの発生、物性劣化を確認します。 この試験方法を Bending Form定歪法と呼んでいます。


画像:疲労試験時の設計
・試験規格及び条件

  • 試験規格 : ASTM D671-63T B法
    (片持ち曲げ、定荷重方式)
  • 試験条件 : 試験片 左図参照
  • 繰り返し速度 : 1800回/min.
  • 荷重(応力) : 通常14.7〜29.4N
    (13.3〜26.6MPa)
  • 試験温度 : 23℃
  • 使用試験機 :
    東洋精機製作所製 B-50型(容量490N)

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機器作動原理、試験方法

 モーターで不平衡質量が回転することにより、回転軸に遠心力が作用します。 この遠心力による水平方向の振動は板バネで拘束されており、垂直方向の振動荷重のみが試験片に加わることとなります。

 本試験機において、応力は一定となりますが振幅は一定になりません(試験片の弾性率により変わります)。 試験は各応力(荷重)毎に試験片が疲労破壊するまでの繰り返し(振動)回数を測定し、Y軸に応力、X軸に繰り返し回数のグラフを作成します。

 試験片に発生する応力(または加わる荷重)は、不平衡質量の回転半径を変えることにより変更できます。

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